私が中学生の頃だったと思います。テレビで、ある事故のドキュメント番組を見たことがきっかけになりました。
日本へ大豆を運んでくる輸送船が、積み荷を陸揚げするときに、船に乗り込んだ作業員が相次いで倒れ、死亡する事故がありました。
死因は、酸欠によるものですが、なぜ船室が酸欠になったのか、原因が不明でした。
その後の調査により原因がわかりました。
原因は何と積み荷の大豆に雨水が浸み込み、芽が出てしまったことです。
学校の理科の時間にも習ったと思いますが、大豆が芽を出すときには、空気中の酸素を使い、二酸化炭素を出すのです。
大豆が発芽したことで、船室の酸素が奪われ、船室が酸欠状態になっていたのです。作業員の命を奪ったのは、積み荷の大豆でした。
ちょっとした情報に気がつかなかったために、貴重な命が奪われたことに大きなショックを受けました。
その後、災害に関心をもち始め、都市の安全、その中でもひとたび発生すると甚大な被害を及ぼす都市型地震について研究してきました。
そして、災害に関する情報を直接被害に遭う人のためにわかりやすく、伝えることができないだろうかと活動を続けています。
